くもり空の下、山道を昇る。
枯れ枝が、ぱきっ、と音をたてて弾けるように折れる。
腐葉土を踏みしめながら身を引き起こし、瞬時に次に足を下ろす先を決めてゆく。
これ重要。
間違って粘土の露わなところだったりすると、足を滑らせてしまうかもしれません。
そんで、これなかなかムツカシイ。
昇るリズムは狂わせたくないんです。
そんな時に唱えるのは、“ユーロビート”の
「べードラ・四つ打ち(ドン・ドン・ドン・ドン…)」風でなく、
“ジャズ”の
ウオーキング・ベース(トゥー・ドゥー・クゥイッ・ター)」風(?)が、
おススメです。
こっちの方が瞬時に地面の“変化”に対応できるんですね。
...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。
んで、なにしてるかというと、山登ってるんです。
道具屋さんに行こうと思って。
といって、“むかしばなし”の世界じゃないんで、普通の車道は通ってるんですよ。
でも、車出すほど遠くないし、この山越えたらすぐだから。
それは、
一風変わった道具屋。
店の脇に竹やら莚でこしらえた“不思議な建造ブツ”があって、「神棚」風のこしらえが造りつけられてたり。
店の“おやじさん”にそれとなく訊ねると、
「はは。買取してくるでしょ、その荷物置いとくの。盗られないんだよ…」なんか言っているけど。
倉庫じゃないよ。どう見ても。
(あ。写真は許可取ってますから、ご心配なく…)
一体、何なんだろうか…。
...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。
ここの“おやじさん”、レコードの“新着品”は「棚の上」に置いといてくれるので、ほんと、助かるんです。
山登ったあと、レコード棚全部さらうのって、案外「重労働」。
そんで見つけたのは「佐井好子」さんの
「二十才になれば/紅い花」(1975年)。
ジャッケットの白猫、左右の目の色違っておりまして、佐井さんの雰囲気にピッタリで、秀逸です~
「佐井好子」さんは、1970年代に、四枚のアルバムを発表した方なんですが、
モチーフとして、「夢野久作」さんに通ずる“夢幻”・“グロテスク”なイメージや、“エキゾチズム”を感じさせる楽曲によって、一種“カルト”的な人気がありますね。
(2008年には新譜を発表したり、にわかに周辺でも盛り上がっている様子でありますです…)
こりゃ、ついてる!ってかんじで、
「いいの入ってますね~」と“おやじさん”に言うと、
「はは。良かったね…」と笑いながら骨董の壷を静かに磨いている。
( ^ω^ )
次に見つけたのは、「古井戸」の「ちどり足」。
(右側のヒトは後の「RC」の「仲井戸麗一」さんですね…)
私も“足フラフラ”なんで、タイムリーだったですね~
それで、ジャケット見てて気付いたんだけど…、
端っこに“気になるお品物”が写っていて…。
このレコードが作られたのが、1972年。
情景は、「山小屋風」。
なんか気にかかるものがあったんで、“おやじさん”に
「あの…、“浅間山荘事件”っていつでしたっけ?」
と問うと、こちらに顔を向けもせず、瞬時に
「1972年」
と答えが返ってきました。
なんの淀みもなく。
まるで、今、そのことを考えていた、といわんばかりに。
私が、「ああ、そうだったっけ…」とつぶやいて会計を済ませ、
じゃあ、と会釈をして店を出ようとすると、
後ろから、「…あの事件が、どうかしたの?」と“おやじさん”の声が聞こえました。
いいえ、なんとなく、思いだしたんで…、なんか言って店を出たんだけど、しばらく後ろを振り向けませんでした。
振り向くと、こちらをジッと伺う“おやじさん”と、目が合いそうな気がしたから。
そうして、一度も後ろを見ずに家に戻ったんですが…、
………一体、何なんだろう?

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